姿勢が悪いとどうなる?肩こり・腰痛との関係や改善方法を医学的根拠に基づいて解説

2026年07月30日

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「姿勢が悪いと体に悪い」と聞くけれど、本当?

「猫背が気になる」
「デスクワークをしていると、気づけば背中が丸くなっている」
「肩こりや腰痛は姿勢が原因と言われたことがある」

このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。

近年はパソコンやスマートフォンを使用する時間が増え、姿勢を気にする方が多くなっています。一方で、「良い姿勢をずっと維持しなければならない」「姿勢が悪いと必ず肩こりや腰痛になる」といった情報を目にすることもあり、何が正しいのか迷う方もいるでしょう。

実際には、姿勢は体に影響を与える要素の一つですが、それだけですべての症状が決まるわけではありません。

肩こりや腰痛には、身体の使い方、運動習慣、筋力、睡眠、心理社会的な要因など、さまざまな要素が関係していることが分かっています。診療ガイドラインでも、痛みは一つの原因だけでは説明できないとされています。

この記事では、

  • 姿勢とは何か
  • 姿勢が悪いと起こりやすい体への影響
  • 姿勢が崩れる主な原因
  • 医学的に分かっていること・分かっていないこと

を分かりやすく解説します。

姿勢について正しく理解し、ご自身の体を見直すきっかけとしてぜひ最後までご覧ください。


姿勢とは?

「正しい姿勢」は一つではありません

「良い姿勢」と聞くと、

  • 背筋を伸ばす
  • 胸を張る
  • あごを引く

といった姿勢を思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、現在では理想的な姿勢は一つだけではないという考え方が広く受け入れられています。

人は年齢や体格、筋力、柔軟性、生活環境によって体の特徴が異なります。そのため、すべての人が同じ姿勢を目指す必要はありません。

大切なのは、

  • 無理なく保てること
  • 痛みや強い負担が少ないこと
  • 動きやすいこと

です。

また、どんなに良い姿勢でも、何時間も同じ姿勢を続けることは体への負担につながる可能性があります。

近年の研究では、「良い姿勢を固定すること」よりも、こまめに体を動かしたり姿勢を変えたりすることが重要だと考えられています。


姿勢は「体全体のバランス」で考えることが大切

姿勢というと背中だけをイメージしがちですが、実際には、

  • 背骨
  • 骨盤
  • 股関節

など全身が互いに影響し合っています。

例えば猫背になると首が前に出やすくなり、肩や背中の筋肉に負担がかかることがあります。

反対に、足首や股関節の動きが制限されることで、上半身の姿勢に影響が出る場合もあります。

そのため、姿勢を考える際は、一部分だけではなく身体全体のバランスを見ることが重要です。


姿勢が悪いと起こりやすい体への影響

首や肩への負担が増えることがあります

長時間うつむいた姿勢や前かがみの姿勢では、頭を支える首や肩の筋肉に負担がかかりやすくなります。

成人の頭の重さは体格にもよりますが、およそ4〜6kg程度あるとされています。

頭が前へ出る姿勢が続くと、この重さを支えるために首や肩周囲の筋肉が働き続ける状態になり、筋肉の疲労につながる可能性があります。

ただし、「猫背だから肩こりになる」と単純に言い切ることはできません。

研究では、頭が前方へ出る姿勢と肩こりとの関連を示す報告がある一方で、関連が明確ではないとする報告もあります。

現在は、

姿勢は肩こりに関係する要因の一つであり、それだけが原因ではない

という考え方が一般的です。


腰への負担にも影響する可能性があります

「腰痛は姿勢が悪いから起こる」と思われがちですが、腰痛も姿勢だけで説明できるものではありません。

日本や海外の腰痛診療ガイドラインでは、

  • 運動不足
  • 身体活動量
  • 睡眠
  • ストレス
  • 過去の腰痛
  • 加齢
  • 職業
  • 身体への負荷

など、さまざまな要因が関係するとされています。

もちろん、中腰姿勢や前かがみ姿勢が長時間続くことで腰への負担が増える可能性はあります。

しかし、「姿勢だけを改善すれば腰痛が必ず良くなる」という十分な根拠は現時点ではありません。

だからこそ、姿勢だけではなく生活習慣全体を見直すことが大切です。


疲れやすさや体の動かしにくさにつながることも

姿勢が崩れると、特定の筋肉ばかりが働き続ける状態になることがあります。

すると、

  • 肩や背中が張りやすい
  • 首が疲れやすい
  • 長時間座っているのがつらい
  • 動き始めに体が硬く感じる

といった症状につながる可能性があります。

また、姿勢が崩れた状態で同じ動作を繰り返すと、筋肉や関節への負担が偏ることもあります。

重要なのは、「悪い姿勢をゼロにする」ことではなく、同じ姿勢を長時間続けないことです。


姿勢が悪くなる主な原因

姿勢が崩れる背景には、一つではなく複数の要因が重なっていることが少なくありません。

長時間のデスクワーク

仕事や勉強で長時間座っていると、少しずつ骨盤が後ろへ傾き、背中が丸くなりやすくなります。

集中していると姿勢を変える回数も減るため、筋肉への負担が蓄積しやすくなります。

特に1時間以上同じ姿勢が続く方は、定期的に立ち上がって体を動かすことが勧められています。

スマートフォンの使用

スマートフォンを見るときは、自然と顔が下を向きやすくなります。

この姿勢が長時間続くと、首や肩周囲の筋肉への負担が増える可能性があります。

スマートフォンを目線に近づける、休憩を挟むなどの工夫は、体への負担を減らす方法の一つです。

運動不足

運動不足になると、筋力や持久力、柔軟性が低下しやすくなります。

その結果、疲れると姿勢を維持しにくくなることがあります。

一方で、「腹筋だけ鍛えれば姿勢が良くなる」といった単純なものでもありません。

姿勢には全身の筋肉や関節の働きが関係しています。

身体の使い方や生活習慣

姿勢は、

  • 仕事の内容
  • 家事
  • 育児
  • 趣味
  • 睡眠環境
  • 身体活動量

など、日常生活全体の影響を受けます。

そのため、一部分だけを改善するのではなく、生活全体を振り返ることが姿勢改善への第一歩になります。


今回は、姿勢の基本的な考え方と、姿勢が体へ与える影響、姿勢が崩れる主な原因について解説しました。

次回は、ご自宅でできる姿勢セルフチェック無理なく続けられる姿勢改善のポイント、医療機関や整体へ相談する目安について詳しくご紹介します。

自宅でできる姿勢セルフチェック

「自分の姿勢は本当に悪いのだろうか」と気になる方は、まず簡単なセルフチェックを行ってみましょう。

セルフチェックだけで姿勢の良し悪しを判断することはできませんが、自分の身体を見直すきっかけになります。

壁を使ったセルフチェック

壁にかかとをつけて自然に立ち、次のポイントを確認します。

  • 後頭部
  • 肩甲骨
  • お尻
  • かかと

が無理なく壁に触れるか確認してみましょう。

腰と壁の間には手のひら1枚程度の隙間があるのが一般的ですが、体格や背骨の形には個人差があります。

無理に壁へ身体を押し付ける必要はありません。

壁に立つことが目的ではなく、普段との違いに気付くことが大切です。


座り姿勢をチェックしてみましょう

普段仕事をしている姿勢を横から写真で撮影してみるのもおすすめです。

次のような状態が続いていないでしょうか。

  • 顔が前へ出ている
  • 背中が丸くなっている
  • 足を組む癖がある
  • パソコン画面をのぞき込んでいる
  • 椅子に浅く座っている

これらは多くの方に見られる姿勢ですが、「悪い姿勢だから痛みが出る」と決まっているわけではありません。

大切なのは、長時間同じ姿勢を続けていないかを確認することです。


こんなサインはありませんか?

次の項目に当てはまる場合は、姿勢や身体の使い方を見直すきっかけになるかもしれません。

  • 長時間座っていると肩や腰がつらくなる
  • 夕方になると首や肩が重だるい
  • 写真を見ると頭が前に出ている
  • 歩くと疲れやすい
  • 同じ姿勢が続くと身体を動かしたくなる

当てはまる項目があっても、必ずしも姿勢だけが原因とは限りません。

症状が続く場合は、一度専門家へ相談することも選択肢の一つです。


今日からできる姿勢改善のポイント

姿勢改善は、「背筋を伸ばし続けること」ではありません。

無理なく続けられる習慣を取り入れることが重要です。

1. 同じ姿勢を続けない

現在の腰痛や肩こりの診療ガイドラインでも、長時間同じ姿勢を避けることは重要とされています。

デスクワークでは、

  • 30~60分ごとに立ち上がる
  • 軽く歩く
  • 肩を回す
  • 深呼吸をする

など、数分身体を動かすだけでも筋肉への負担軽減につながる可能性があります。

時間を厳密に守るよりも、「気付いたら身体を動かす」という習慣づくりをおすすめします。


2. デスク環境を見直す

姿勢は椅子や机の高さにも大きく影響されます。

例えば、

  • モニターは目線に近い高さ
  • 肘は約90度
  • 足裏が床につく高さ
  • 深く腰掛ける

などを意識すると、身体への負担が軽減する場合があります。

すべてを完璧にする必要はありません。

まずは調整できるところから始めてみましょう。


3. 軽い運動やストレッチを取り入れる

世界保健機関(WHO)では、健康維持のために身体活動を増やすことが推奨されています。

ウォーキングやストレッチなど、無理なく継続できる運動は、筋肉や関節の動きを保つうえでも役立つ可能性があります。

ストレッチを行う際は、

  • 痛みが出ない範囲
  • 呼吸を止めない
  • 反動をつけない

ことを意識しましょう。

痛みやしびれが強くなる場合は中止し、医療機関へ相談してください。


4. 「良い姿勢」を頑張りすぎない

姿勢を意識するあまり、

  • 常に胸を張る
  • 力を入れ続ける
  • お腹を締め続ける

という方もいます。

しかし、筋肉は緊張し続けると疲労します。

大切なのは、

良い姿勢を固定することではなく、楽な姿勢と身体を動かすことを繰り返すことです。


医療機関や整体へ相談する目安

姿勢の問題だけと思っていても、別の病気が隠れていることがあります。

次のような症状がある場合は、まず医療機関への相談をおすすめします。

  • 強い痛みが急に出た
  • 手足のしびれが続く
  • 力が入りにくい
  • 転倒や交通事故の後から痛みがある
  • 発熱を伴う痛み
  • 安静にしていても痛みが続く
  • 排尿・排便の異常を伴う
  • 数週間以上改善しない症状

これらは整形外科などで詳しい検査が必要となる場合があります。


よつ葉接骨院・整体院の考え方

姿勢は、写真だけで「良い・悪い」と判断できるものではありません。

当院では、AI姿勢分析を活用しながら姿勢の特徴を確認するとともに、

  • 身体全体のバランス
  • 関節の動き
  • 筋肉の状態
  • 日常生活での身体の使い方

なども含めて評価しています。

また、国家資格を持つ施術者が、お一人おひとりの生活習慣やお悩みを伺いながら、現在の状態を丁寧に確認しています。

姿勢だけを整えることを目的とするのではなく、「なぜその姿勢になっているのか」という背景まで考えることを大切にしています。


まとめ

姿勢は健康に影響する大切な要素ですが、肩こりや腰痛などの症状は姿勢だけで決まるものではありません。

現在の研究では、

  • 長時間同じ姿勢を続けないこと
  • 身体をこまめに動かすこと
  • 適度な運動を続けること
  • 生活習慣全体を見直すこと

が重要と考えられています。

「背筋を伸ばし続けなければならない」と考えるよりも、自分の身体が楽に動ける状態を目指すことが、無理なく姿勢改善を続けるポイントです。

姿勢や肩こり、腰痛でお悩みの方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。

当院ではAI姿勢分析を活用し、身体全体のバランスや生活習慣も含めて評価し、お一人おひとりに合わせた施術とセルフケアをご提案しています。

参考文献

  1. 日本整形外科学会・日本腰痛学会. 腰痛診療ガイドライン(改訂版)
  2. 日本整形外科学会. 頚部痛診療ガイドライン
  3. World Health Organization. WHO Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour. 2020.
  4. Hartvigsen J, et al. What low back pain is and why we need to pay attention. The Lancet. 2018;391(10137):2356-2367.
  5. Côté P, et al. Management of Neck Pain and Associated Disorders. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. Clinical Practice Guideline.
  6. Cochrane Library(身体活動・運動療法に関する系統的レビュー)

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執筆者紹介

宮寺 雅佳

執筆者:柔道整復師 宮寺 雅佳(よつ葉接骨院 院長)

私はこれまで18年間、3万人以上の施術に携わってきました。企業での腰痛セミナーや整体師向けの講習にも関わりながら、「根本的な改善」と「戻りにくい体づくり」を大切に、日々施術を行っています。

当院では、筋肉や骨格のゆがみ(外側)だけでなく、自律神経の乱れや脳の疲労(内側)にも着目した独自の整体を提供しています。
「治療でも癒しでもない。“ととのえる”という新しい選択」を通じて、不調をくり返さない身体を目指しています。

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