なぜ朝起きると腰が痛い?考えられる原因6選と寝起きの腰痛対策

2026年08月15日

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「朝起きたときだけ腰が痛い」
「起きてしばらく動くと少し楽になる」
「寝る前は平気なのに、なぜ朝になると痛むの?」

このような寝起きの腰痛が続くと、寝方やマットレスが悪いのではないかと気になりますよね。

ただ、朝の腰痛には一つだけではなく、いくつか考えられる要因があります。

たとえば、長時間動かないことによる腰の変化、睡眠の状態、マットレスや寝姿勢、前日の身体の使い方などです。また、朝の強いこわばりが続く場合には、医療機関で確認したほうがよい腰痛が隠れていることもあります。

大切なのは、「朝痛い=寝具が悪い」とすぐに決めつけるのではなく、自分の症状がどのパターンに近いのかを見ることです。

この記事では、朝起きると腰が痛いときに考えられる6つの要因を、

なぜ起こる可能性があるのか
どんな症状が出やすいのか
まず何をすればよいのか

までセットで分かりやすく解説します。

「自分の場合は何を確認すればいい?」というところまで分かる内容にしていますので、寝起きの腰痛でお困りの方は参考にしてください。

朝起きると腰が痛い原因は一つとは限らない

腰痛は、必ずしも「筋肉が悪い」「骨が悪い」など、一つの場所だけで説明できるものではありません。

WHOでは、腰痛の多くは特定の病気や一つの身体組織だけでは説明できないタイプであり、身体だけでなく、生活や心理・社会的な要素も含めて考える必要があるとしています。

朝の腰痛についても、

「血流が悪いから」
「寝姿勢が悪いから」
「マットレスが原因だから」

と一つに決めるより、いつ痛むのか、何をすると変化するのか、前日はどう過ごしたのかまで見たほうが、自分の症状を整理しやすくなります。

ここからは、考えられる6つの要因を順番に見ていきましょう。

原因1.長時間動かないことで腰の状態が変化する

なぜ朝の動き始めに痛むことがある?

睡眠中は、日中と比べて身体を動かす機会が大きく減ります。

腰には筋肉や関節だけでなく、背骨の骨と骨の間でクッションのような役割をする「椎間板」など、さまざまな組織があります。

こうした組織は、一日中まったく同じ状態ではありません。

特に椎間板は、日中に立ったり座ったりして身体の重さがかかる時間と、横になって負担が少なくなる時間とで状態が変化します。

実際にMRIを使った研究では、椎間板の水分に関係する状態などが朝と夕方で変化することが確認されています。研究規模は小さいものの、朝と日中では腰の中の状態が同じではないことを示す研究の一つです。

そのため、長時間休んだあとの腰は、

「休んでいた状態」から「身体を支えて動く状態」へ切り替わる時間

と考えると分かりやすいでしょう。

よく「寝ている間に血流が悪くなったから朝腰が痛い」と説明されることがありますが、朝の腰痛を血流だけで説明できる十分な根拠はありません。

筋肉、関節、椎間板など、腰を構成する組織の状態や働き方が変化することも含めて考えるほうが自然です。

こんな人はチェック

  • 起床直後に腰が固まっている感じがする
  • 最初の動き出しが痛い
  • 起きてすぐ前かがみになるとつらい
  • 朝、靴下を履う動作がつらい
  • 少し歩いたり動いたりすると楽になる

特に、起きた直後と30分後で症状が変わるかを見てみましょう。

どう対処する?

朝腰が固まっているからと、いきなり強く伸ばしたり、勢いよく捻ったりする必要はありません。

まずは起きる、立つ、少し歩く、着替えるなど、普段の日常動作から少しずつ身体を動かしていくのがおすすめです。

朝の前かがみで痛む人なら、起床直後から深く腰を曲げたり、重い物を持ったりする動作を無理に繰り返す必要もありません。

「腰の組織を元通りにしなければ」と考えるより、朝の状態に合わせて負担を調整しながら動くと考えてみましょう。

腰痛に対して長期間安静にし続けるより、可能な範囲で活動を続ける考え方は、腰痛の診療ガイドラインでも重視されています。

原因2.寝姿勢によって腰への負担が変わる

仰向け・横向き・うつ伏せで違いはある?

寝ている姿勢も、朝の腰痛を考えるときに確認したいポイントです。

仰向け、横向き、うつ伏せでは、腰の位置や身体を支える場所が変わります。

寝姿勢と腰痛との関係を調べた研究をまとめたレビューでは、寝姿勢によって腰痛の出方が異なる可能性が報告されています。2025年の系統的レビューでも、寝姿勢と腰痛との関連が検討されています。

一方、研究数はまだ多くなく、すべての人に「この姿勢が正解」と言えるほど単純ではありません。

そのため現時点では、自分の場合、どの姿勢で症状が変わるのかを確認してみるのが実用的です。

こんな人はチェック

  • 特定の向きで寝た翌朝につらい
  • いつも同じ向きで寝ている
  • 寝返りをすると楽になる
  • 特定の寝姿勢だと腰が気になる
  • 寝る場所が変わると朝の症状も変わる

どう対処する?

「腰痛なら絶対に仰向け」と無理に寝姿勢を固定する必要はありません。

まずは、

どの姿勢だと楽に眠れるか
どの姿勢の翌朝につらくなりやすいか

を確認してみましょう。

腰痛だけを気にして眠れなくなってしまっては本末転倒です。

無理なく眠れて、翌朝の症状も強くなりにくい姿勢を探していくことが現実的です。

原因3.マットレスなどの寝具が身体に合っていない

「腰痛には硬いマットレス」が正解?

朝の腰痛があると、マットレスが気になる方も多いでしょう。

寝具と腰痛については実際に研究されています。

慢性的な腰痛があり、寝ているときや起床時にも腰痛がある313人を対象とした比較試験では、硬いマットレスと中程度の硬さのマットレスが比較されました。

その結果、中程度の硬さのマットレスを使った人のほうが、ベッド上での痛みや起床時の痛みなどで良好な結果が報告されています。

つまり、

「腰痛なら硬いマットレスほど良い」

とは考えなくてよさそうです。

こんな人はチェック

  • マットレスを替えてから朝痛くなった
  • 旅行先やホテルでは腰の状態が違う
  • 身体が極端に沈み込む感じがする
  • 寝ていると腰に違和感がある
  • 寝具によって翌朝の症状が明らかに変わる

どう対処する?

朝腰が痛いからと、すぐ高価なマットレスへ買い替える必要はありません。

まず確認したいのは、

「寝具を変えた時期」と「腰痛が変化した時期」が重なっているか

です。

また、マットレスだけでなく、寝姿勢や睡眠の状態も一緒に振り返ってみましょう。

今のマットレスに明らかな違和感がある、寝る場所によって朝の症状が変わるという方は、寝具を見直すことも朝の腰痛対策の一つです。

原因4.睡眠の質や睡眠時間が腰痛に影響している可能性

腰痛と睡眠には関係がある?

腰痛と睡眠には関係がある可能性が報告されています。

2024年の系統的レビューでは、14の研究、約1万9,000人分のデータをまとめて、睡眠とその後の腰痛との関係が調べられました。

その結果、睡眠状態が、その後の腰痛の強さや回復に関係している可能性が示されています。

ただし、研究の質にはばらつきがあるため、

「睡眠不足が直接、朝の腰痛を起こす」

とまでは言い切れません。

それでも、睡眠と腰痛との関連は複数の研究で報告されています。慢性腰痛がある人では、睡眠時間の短さや睡眠の質の低下などとの関連も報告されています。

そのため、睡眠だけが朝の腰痛の原因とは言えませんが、朝の腰痛が続いているなら睡眠状態も一緒に確認しておいたほうがよいと考えられます。

こんな人はチェック

  • 最近よく眠れていない
  • 睡眠時間が不足している
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 腰が気になって目が覚める
  • 朝起きても疲れが残っている
  • 睡眠状態が悪い時期に腰痛も強い

どう対処する?

まず、

「何時間くらい眠れた?」
「途中で何度も目が覚めなかった?」
「腰が痛くて起きていない?」

などを確認します。

睡眠時間だけでなく、しっかり休めた感じがあるかも一緒に見てみましょう。

数日間、

睡眠の状態 → 翌朝の腰痛

をセットで振り返ると、自分なりの傾向が見えてくることがあります。

また、休日に長く寝た翌朝だけ腰が痛い場合も、「寝すぎが原因」とすぐ決めるのではなく、長時間動かなかったことや寝姿勢なども一緒に確認してみましょう。

原因5.前日の身体の使い方や腰への負担が翌朝に残っている

朝痛いからといって、原因が睡眠中とは限らない

これは意外と見落としやすいポイントです。

朝起きたときに腰が痛いと、

「寝ている間に何かあったのかな?」

と思いますよね。

しかし、前日にどう身体を使ったのかも重要です。

腰痛について多くの研究をまとめたレビューでは、身体への負担、全身の健康状態、心理的な負担など、複数の要素と腰痛との関連が報告されています。

だからといって「前日の仕事が原因」と単純に決めることはできませんが、日によって朝の痛みが変わる方では、前日の過ごし方も確認する価値があります。

こんな人はチェック

  • 普段以上に身体を使った翌朝に痛い
  • 重い物を扱った翌日に症状が強い
  • 長時間同じ姿勢で仕事をした翌朝につらい
  • 普段と違う運動をした翌日に痛む
  • 仕事が忙しい時期に症状が強い
  • 日によって朝の腰痛にかなり差がある

どう対処する?

数日だけでも、

前日の活動 → 睡眠 → 翌朝の腰痛

をセットで振り返ってみましょう。

たとえば、

「長時間座った日の翌朝につらい」
「身体をかなり使った翌日に強い」
「逆にほとんど動かなかった翌朝もつらい」

など、自分なりのパターンが見つかることがあります。

傾向が分かれば、仕事中の休憩、作業時間、身体の使い方などを見直すヒントになります。

腰痛は「姿勢だけ」「筋肉だけ」「ストレスだけ」で決まるものではありません。

自分の場合、何が症状と重なっているのかを見ることが大切です。

原因6.病気による腰痛

朝の腰痛の中には病院で確認したほうがよいものもある

朝に腰が痛いからといって、重大な病気があるという意味ではありません。

一方で、腰痛の中にはセルフケアや整体より先に、医療機関で原因を確認したほうがよいものがあります。

たとえば、背骨や骨盤の周辺に炎症が起こる「体軸性脊椎関節炎」では、腰やお尻の痛みのほか、夜間に痛む、身体を動かすと楽になるなどの特徴がみられることがあります。

NICEのガイドラインでも、一つの症状だけではなく、発症年齢や症状が続いている期間、夜間痛、お尻の痛み、動いたときの変化など、複数の特徴を組み合わせて評価するよう示されています。

そのほかにも、神経への強い圧迫、骨折、感染症などで腰痛が起こることがあります。WHOも、腰痛の一部には特定の病気が関係するものがあると説明しています。

こんな症状がある場合は医療機関へ

  • 脚のしびれや筋力低下が強い、または悪化している
  • 排尿や排便に異常がある
  • 発熱など全身の症状を伴う
  • 大きな転倒や事故のあとから強く痛む
  • 安静にしていても強い痛みが続く
  • 夜間の痛みで繰り返し目が覚める
  • 朝の強いこわばりが長く続く
  • 腰やお尻の痛みが続き、身体を動かすと楽になる
  • 腰痛が長期間改善しない、または徐々に悪化している

このような場合は、寝具を変えたりストレッチを続けたりするだけで様子を見ず、医療機関へ相談してください。

特に、排尿・排便の異常や進行する筋力低下などがある場合には、早めの医療評価が必要です。

朝の腰痛の原因6選を一覧でチェック

考えられる要因こんな人はチェックまずできること
長時間動かないことによる腰の変化動き始めが痛い、少し動くと楽日常動作から徐々に動く
寝姿勢特定の寝方で翌朝つらい楽な姿勢・つらい姿勢を確認
マットレス・寝具寝具によって症状が変わる寝具の状態を見直す
睡眠寝不足、途中で目覚める、休めた感じがない睡眠と翌朝の症状を一緒に確認
前日の身体の使い方前日の仕事・活動で症状が変わる活動と翌朝の症状を記録
病気による腰痛夜間痛、強いこわばり、神経症状など医療機関へ相談

朝起きて腰が痛いときは3つのことを確認しよう

「6つ読んだけれど、自分はどれなのか分からない」という方もいると思います。

そんなときは、まず次の3つを確認してみてください。

1.朝のどんな動作で痛い?

「朝痛い」から、もう一歩細かく見ます。

起き上がる瞬間なのか。
立ったときなのか。
顔を洗うために前かがみになったときなのか。
靴下を履くときなのか。

具体的な動作まで確認すると、自分の腰痛の特徴が分かりやすくなります。

2.動いたあとにどう変わる?

起床直後が一番つらく、少し動くと楽になるのか。

それとも、身体を動かしているうちに痛みが強くなるのか。

同じ朝の腰痛でも、この違いは大切です。

痛みを確認するために何度も同じ動作をする必要はありません。普段の生活の中で見てみましょう。

3.前日は何をして、どんな睡眠だった?

朝だけを見るのではなく、前日まで振り返ります。

「昨日は長く座っていなかった?」
「普段と違う身体の使い方をしなかった?」
「よく眠れた?」
「夜中に起きなかった?」

こうした情報を数日確認すると、自分なりの傾向が見えてくることがあります。

朝腰が痛いときはストレッチしたほうがいい?

朝腰が固まっていると、

「しっかり伸ばしたほうが良さそう」

と思うかもしれません。

しかし、痛みを我慢して強くストレッチする必要はありません。

腰痛に対する診療ガイドラインでは運動が治療の選択肢として推奨されていますが、すべての腰痛に同じ運動を行うという意味ではありません。症状や状態に合わせて選ぶ必要があります。

朝の動き始めがつらい場合は、まず起きる、立つ、歩くなどの日常動作から始めます。

少し身体を動かして楽になるようなら、そのまま無理のない範囲で普段の活動へ戻していきましょう。

反対に、動くほど痛みや脚の症状が強くなる場合は無理をしないでください。

よつ葉接骨院では「朝痛い=〇〇が原因」と決めつけません

朝の腰痛には、ここまで紹介したように複数の要因が関係する可能性があります。

そのため、よつ葉接骨院・よつ葉整体院では、

「血流が悪いから」
「マットレスが悪いから」
「骨盤がゆがんでいるから」

と最初から一つに決めつけず、

いつ痛むのか
どんな動作で痛むのか
動いたあとにどう変化するのか
前日はどのように身体を使ったのか
睡眠状態はどうなのか

などを確認することを重視しています。

必要に応じてAI姿勢解析も活用しますが、「姿勢が悪い=腰痛」と判断するためのものではありません。

姿勢や身体全体のバランスを把握するための一つの評価として、実際の身体の動きや症状と合わせて見ていきます。

また、今回紹介したような医療機関での評価を優先したほうがよい症状がある場合には、適切な受診をご案内します。

まとめ|朝の腰痛は自分の「痛み方」を確認しよう

朝起きると腰が痛いときには、

1.長時間動かないことによる腰の変化
2.寝姿勢
3.マットレスなどの寝具
4.睡眠の状態
5.前日の身体の使い方や腰への負担
6.病気による腰痛

などが考えられます。

大切なのは、

朝のどんな動作で痛む?
動いたら楽になる?強くなる?
どのくらい続く?
前日はどう過ごした?
睡眠はどうだった?

と、自分の症状を少し具体的に見ることです。

「朝腰が痛い」という情報だけでは分からなかったことも、症状のパターンを見ることで、対処を考えるヒントが見つかる場合があります。

朝の腰痛を繰り返している、毎朝の動き出しがつらいなど、お困りの場合は、よつ葉接骨院・よつ葉整体院へご相談ください。

参考文献

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  2. World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023.
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執筆者紹介

宮寺 雅佳

執筆者:柔道整復師 宮寺 雅佳(よつ葉接骨院 院長)

臨床現場で19年以上、これまで3万人以上の方の身体のお悩みに向き合ってきました。

よつ葉接骨院では、「痛い場所だけにとらわれず、身体全体を見ること」を大切にしています。
腰痛や肩こりなどの不調は、痛みを感じている場所だけでなく、身体の動きや活動量、日々の過ごし方など、さまざまな要素が関係していることがあります。

そのため、問診や身体の動き、姿勢などを確認し、一人ひとりの状態に合わせて施術やセルフケアをご提案しています。

目指しているのは、痛みだけにとらわれず、その方が元気な毎日を送れるようサポートすること。
この記事も、医学的な情報をもとに、できるだけ分かりやすくお伝えすることを心がけて作成しています。

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