MRIで「ヘルニア」と言われた。その腰痛、本当にヘルニアが原因?
2026年08月27日
🍀 直近の混雑状況はこちら
直近の予約・混雑状況| 横浜市鶴見区 | よつ葉接骨院
📚 関連記事はこちら
腰・背中のお悩み | 横浜市鶴見区 | よつ葉接骨院
「MRIを撮ったら、椎間板ヘルニアがあると言われた」
そんな説明を受けると、
「やっぱり、このヘルニアが腰痛の原因なんだ」
「ヘルニアがあるなら、ずっと腰痛と付き合わないといけないの?」
「動いたらもっと悪化するのでは?」
と不安になる方もいると思います。
MRIは、椎間板や神経など腰の状態を詳しく確認できる重要な検査です。そして、椎間板ヘルニアが腰痛や脚の痛み・しびれと関係しているケースもあります。
ここで知っておきたいのが、「MRIにヘルニアが写っていること」と「現在感じている腰痛を、その画像所見だけで説明できること」は同じではないという点です。
実際、腰に痛みがない人のMRIにも、椎間板の膨らみや突出などが確認されることが研究で分かっています。
では、MRIでヘルニアが見つかったとき、その画像をどう考えればよいのでしょうか。
この記事では、
- MRIで分かること
- ヘルニアと腰痛の関係
- 痛みがない人にもMRIの変化が見つかる理由
- ヘルニアと症状の関係を考えるポイント
- 医療機関へ相談したい症状
について、研究や診療ガイドラインをもとに分かりやすく解説します。
「ヘルニアと言われてから腰のことが怖くなった」という方にも、ぜひ知っていただきたい内容です。
そもそも「腰椎椎間板ヘルニア」とは?
背骨は「椎骨(ついこつ)」という骨が積み重なってできています。
その椎骨と椎骨の間にあり、クッションのような役割をしているのが「椎間板」です。
椎間板の内部には髄核と呼ばれる組織があり、それを線維輪という組織が囲んでいます。椎間板の一部が後方などへ突出し、神経に影響すると、お尻から脚にかけての痛みやしびれ、筋力低下などが現れることがあります。
日本整形外科学会も、腰椎椎間板ヘルニアでは腰や臀部の痛み、下肢に広がる痛みやしびれ、足に力が入りにくいといった症状がみられることを示しています。[1]
そして、椎間板や神経などの状態を詳しく確認するために使われる検査の一つがMRIです。
MRIでヘルニアが見つかった。それが腰痛の原因?
ここが今回、一番お伝えしたいポイントです。
MRIで確認されたヘルニアが現在の症状とどのように関係しているかは、画像と症状を照らし合わせて考える必要があります。
その理由を理解するうえで、とても参考になる研究があります。
痛みがない人のMRIにも「変化」は見つかる
Brinjikjiらは、腰痛などの症状がない3,110人を対象とした33研究をまとめ、脊椎の画像所見がどのくらいみられるのかを調べています。[2]
その結果、症状のない人でも、
- 椎間板変性
- 椎間板膨隆
- 椎間板突出
などが確認されていました。
たとえば「disc protrusion(椎間板突出)」は、20歳でも推定29%、50歳で36%、80歳で43%にみられました。
椎間板変性や膨隆については、年齢が上がるほどさらに高い割合で確認されています。
つまり、MRIで椎間板の変化が見つかること自体は、痛みのない人にも起こり得るのです。[2]
この研究は、「MRIは意味がない」「ヘルニアは腰痛と関係ない」という意味ではありません。
MRIから得られる情報を、年齢や現在の症状、身体所見などと合わせて解釈することの重要性を示しています。
腰痛がある人に多くみられるMRI所見もある
もう一つ知っておきたい研究があります。
Brinjikjiらが50歳以下の成人を対象に行った系統的レビュー・メタ解析では、腰痛のある人と症状のない人のMRI所見を比較しています。[3]
その結果、椎間板膨隆、椎間板突出、椎間板脱出、椎間板変性など、いくつかの画像所見は腰痛のある人で多くみられました。
つまり、MRI所見と腰痛には関連が報告されているものがあります。[3]
ここまでを整理すると、
「MRIの所見は腰痛を考えるための重要な情報であり、その所見が現在の症状と合っているかを確認することが大切」
ということです。
「ヘルニアが写っているか」だけを見るのではなく、その画像が今の自分の症状とどう結びついているのかを考えていきます。
ヘルニアと症状の関係は何を見て判断する?
では、画像以外には何を確認するのでしょうか。
腰椎椎間板ヘルニアの診断では、症状や身体所見、画像所見などを組み合わせて考えていきます。日本では、日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会による「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)」が公開されています。[4]
実際に確認する内容はその人の状態によって異なりますが、たとえば次のような情報が重要になります。
1.痛みやしびれがどこに出ているか
腰だけが痛いのか。
お尻から太もも、ふくらはぎ、足先まで痛みやしびれが広がっているのか。
神経の影響を考える場合には、こうした症状の分布が大切な情報になります。
2.感覚や筋力に変化がないか
「片方の足に力が入りにくい」
「つま先やかかとで歩きにくい」
「左右で触った感覚が違う」
といった変化も、神経の状態を評価するための情報になります。
3.MRI画像と症状の場所が一致しているか
たとえばMRIで特定の神経に影響するような椎間板ヘルニアが確認された場合、その神経に対応する範囲に痛み・しびれ・筋力低下などがみられるかを確認します。
画像と症状を照らし合わせることで、MRI所見をより意味のある情報として使えるようになります。
4.症状がどのように始まり、どう変化しているか
「いつから痛いのか」
「突然始まったのか」
「少しずつ変化しているのか」
「どんな動作で困るのか」
「仕事や睡眠、日常生活にどの程度影響しているのか」
こうした経過も重要です。
MRIは身体の構造を詳しく見ることができます。
診察では、そこに**「今、その人に何が起きているのか」という情報を重ねていく**ことになります。
「ヘルニアがある=ずっと治らない」と考えなくていい
MRI画像を見せてもらい、椎間板が大きく飛び出しているように見えると、
「これはもう元に戻らないのでは?」
と心配になるかもしれません。
腰椎椎間板ヘルニアには、時間の経過とともに画像上のヘルニアが小さくなる「自然退縮」がみられることがあります。
2023年に発表された系統的レビュー・メタ解析では、保存的に治療された症候性腰椎椎間板ヘルニアについて、MRIで確認される自然退縮を調べています。[5]
この研究では、ヘルニアの形態によって自然退縮が確認される割合に違いがあり、特に椎間板組織が大きく外へ出たタイプで退縮が多くみられました。
これは、一度MRIでヘルニアが見つかったからといって、その画像がずっと同じ状態のままとは限らないことを示しています。[5]
症状の経過や治療方針については、画像だけで自己判断せず、医師による診察と合わせて考えていくことが大切です。
腰痛について考えるなら、画像以外にも確認したいこと
腰痛について考えるときには、身体の構造だけではなく、
- どのような動きで困っているか
- 日常の活動量
- 仕事や家事での負担
- 睡眠
- 痛みによって避けている活動
- 不安やストレスなどの心理社会的要因
といった情報も確認していきます。
特に腰痛が長く続いている場合、WHOの慢性一次性腰痛に関するガイドラインでは、身体的な要素だけでなく、心理面や社会生活も含めた「生物心理社会的な視点」で評価することが重要とされています。[6]
これは「腰痛は気持ちの問題」という意味ではありません。
腰痛という体験には、身体の状態、活動、睡眠、心理面、仕事や生活環境など、複数の要素が関係します。
そのため、腰痛で困っている方をみるときには、「MRIに何が写っているか」と同時に「その人が今、何に困っているのか」を確認することが大切です。
ヘルニアと言われても、必要以上に動くことを怖がらないために
「ヘルニアがあるなら、腰をなるべく動かさないほうがいいのでは?」
と考える方もいます。
実際には、腰痛への対応は状態によって異なります。
特に慢性腰痛についてWHOは、個人の状態を評価したうえで、身体活動や意味のある日常生活への参加を支援することを重視しています。運動療法についても選択肢の一つとして推奨されています。[6]
そのため、
「MRIにヘルニアがあるから動いてはいけない」
と画像だけを理由に日常の活動をすべて避けるのではなく、現在の症状や神経の状態を確認しながら、その人に合った活動を考えていくことが大切です。
強い脚の痛みや筋力低下などがある方は、自己判断で無理に運動するのではなく、まず医療機関で状態を確認してください。
こんな症状がある場合は、整体より先に医療機関へ
腰痛や椎間板ヘルニアの多くは緊急性の高い状態ではありません。
中には、速やかな医学的評価が必要なケースがあります。
特に、
- 腰から脚への強い痛みに加えて、急に排尿・排便がうまくできなくなった
- 股の間や肛門周辺などの感覚がおかしい
- 脚の筋力低下が進んでいる
- 発熱を伴う
- 安静にしていても強い痛みが続く、または悪化している
といった場合は、整体だけで様子を見ず、医療機関へ相談してください。
特に新しく生じた排尿・排便機能の異常や会陰部の感覚低下などは、馬尾症候群と呼ばれる重い神経障害の評価が必要になることがあります。NICEのガイドラインでも、強い腰痛や脚への放散痛に、排尿・排便・性機能の新たな障害や会陰部の感覚低下を伴う場合には、直ちに評価することが推奨されています。[7]
日本整形外科学会も、腰痛に下肢のしびれや筋力低下、排尿の異常などを伴う場合には、速やかな整形外科受診を案内しています。[8]
よつ葉接骨院・整体院では「MRIの画像」だけで身体を判断しません
MRIは、身体の状態を知るための大切な情報です。
よつ葉接骨院・整体院でも、医療機関で受けた診断や検査結果がある場合には、その情報を大切にします。
そのうえで当院が確認したいのは、
**「画像に何が写っているか」だけではなく、「その方が現在どのようなことで困っているのか」**です。
たとえば、
- どこに、どのような症状があるのか
- どんな動作で困るのか
- 関節がどのように動くのか
- 身体をどのように使っているのか
- 筋肉の状態はどうか
- 仕事や家事、運動などで何ができなくなっているのか
などを確認します。
必要に応じてAI姿勢解析も行いますが、姿勢だけから腰痛の原因を決めるための検査ではありません。身体の状態を把握する情報の一つとして活用しています。
そして、筋肉・筋膜・関節など身体の状態に合わせた施術を行い、必要に応じて身体の使い方や日常の活動、セルフケアについても一緒に考えていきます。
よつ葉が目指しているのは、単に「腰の痛み」だけを見ることではありません。
「仕事を不安なく続けたい」
「また運動を楽しみたい」
「家族と出かけたい」
「腰を気にせず毎日を過ごしたい」
そんなその人らしい元気な毎日を取り戻すことを大切にしています。
まとめ|MRI画像は「身体を知るための大切な情報の一つ」
MRIで「椎間板ヘルニアがあります」と言われたら、不安になるのは自然なことだと思います。
今回、覚えておいていただきたいポイントは3つです。
1.腰痛のない人にも、MRIで椎間板突出などが見つかることがある
2.椎間板の画像所見の中には、腰痛との関連が報告されているものもある
3.大切なのは、画像所見と現在の症状・身体所見・経過を照らし合わせて考えること
MRIはとても重要な検査です。
そして、その画像を「今の自分の身体や症状とどう結びつけて考えるか」までが大切です。
「ヘルニアと言われてから、腰を動かすのが怖くなった」
「治療を受けているけれど、自分の腰が今どういう状態なのか分からない」
「腰痛を繰り返していて、身体の状態を一度きちんと確認したい」
そんな方は、よつ葉接骨院・整体院へご相談ください。
医療機関での診断を大切にしながら、身体の動きや筋肉・関節の状態、日常生活で困っていることまで確認し、元気に過ごせる身体づくりを一緒に考えていきます。
あなたの身体には、元気になる力がある。
画像だけにとらわれず、今の身体とこれからの生活に目を向けていきましょう。
参考文献
- 日本整形外科学会.「腰椎椎間板ヘルニア」症状・病気をしらべる.
- Brinjikji W, Luetmer PH, Comstock B, et al. Systematic Literature Review of Imaging Features of Spinal Degeneration in Asymptomatic Populations. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(4):811-816. DOI: 10.3174/ajnr.A4173.
- Brinjikji W, Diehn FE, Jarvik JG, et al. MRI Findings of Disc Degeneration are More Prevalent in Adults with Low Back Pain than in Asymptomatic Controls: A Systematic Review and Meta-Analysis. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(12):2394-2399. DOI: 10.3174/ajnr.A4498.
- 日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会監修.『腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)』.南江堂,2021.
- Rashed S, Vassiliou A, Starup-Hansen J, Tsang K. Systematic review and meta-analysis of predictive factors for spontaneous regression in lumbar disc herniation. J Neurosurg Spine. 2023;39(4):471-478. DOI: 10.3171/2023.6.SPINE23367.
- World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023.
- National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Suspected neurological conditions: recognition and referral (NG127). Recommendation 1.7.3.
- 日本整形外科学会.「腰痛」症状・病気をしらべる.
🍀 直近の混雑状況はこちら
直近の予約・混雑状況| 横浜市鶴見区 | よつ葉接骨院
📚 関連記事はこちら
腰・背中のお悩み | 横浜市鶴見区 | よつ葉接骨院
執筆者紹介
執筆者:柔道整復師 宮寺 雅佳(よつ葉接骨院 院長)
臨床現場で19年以上、これまで3万人以上の方の身体のお悩みに向き合ってきました。
よつ葉接骨院では、「痛い場所だけにとらわれず、身体全体を見ること」を大切にしています。
腰痛や肩こりなどの不調は、痛みを感じている場所だけでなく、身体の動きや活動量、日々の過ごし方など、さまざまな要素が関係していることがあります。
そのため、問診や身体の動き、姿勢などを確認し、一人ひとりの状態に合わせて施術やセルフケアをご提案しています。
目指しているのは、痛みだけにとらわれず、その方が元気な毎日を送れるようサポートすること。
この記事も、医学的な情報をもとに、できるだけ分かりやすくお伝えすることを心がけて作成しています。
よつ葉接骨院 / よつ葉整体院(横浜市鶴見区・京急生麦駅徒歩1分)
肩こり・頭痛・腰痛・自律神経の乱れなど、慢性的な不調を中心に、一人ひとりの身体の状態に合わせた施術を行っています。
国家資格を持つ院長が、AI姿勢分析や可動域検査などを用いて原因を確認し、筋肉や関節だけでなく、身体全体のバランスを考慮した施術をご提供しています。
【診療案内】
- 完全予約制
- 京急生麦駅 徒歩1分
- 月・火・水・金 10:30~21:00
- 土曜 9:00~16:00
- 木曜・日曜 休診
📍〒230-0052
神奈川県横浜市鶴見区生麦1-10-4
🍀 よつ葉接骨院オリジナルLINEスタンプ・絵文字も販売中!
https://line.me/S/shop/emoji/author/8934217










