「雨が降ると痛い」は気のせい?研究で分かってきた天気と痛みの関係

2026年09月30日

「雨の日は頭痛がする」

「天気が崩れる前になると、腰や膝がいつもより痛い」

「雨の日は肩や首がつらく感じる」

そんな経験はありませんか?

「天気のせいかな?」と思っても、本当に関係があるのか、それとも気のせいなのか、気になりますよね。

実は、天候と痛みの関係は世界中で研究されています。

頭痛だけではなく、腰痛や膝などの関節痛、慢性的な身体の痛みについても、気圧や湿度などの気象条件との関係が調べられています。

では、雨の日に痛みを感じやすくなるのはなぜなのでしょうか。

今回は、天気と痛みには本当に関係があるのか、身体の中では何が起きていると考えられているのか、そして自分でできることはあるのかを、現在の研究をもとに見ていきます。

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天気と痛みには本当に関係がある?

まず気になるのは、「本当に天気で痛みが変わるの?」というところですよね。

この疑問を大規模に調べた研究があります。

イギリスで行われた「Cloudy with a Chance of Pain」という研究では、慢性的な痛みのある人がスマートフォンを使って毎日の痛みを記録し、その日の天候との関係を調べました。

最終的に2,658人のデータを分析したところ、高い湿度、低い気圧、強い風と、痛みを感じる可能性が高くなることとの間に、小さいながら関連が確認されました。

つまり、「雨の日に痛い」「天気が崩れると身体がつらい」という感覚には、研究からも考えられる部分があります。

そして、ここでポイントになるのが気圧だけではないということです。

湿度や風なども含め、複数の気象条件と痛みとの関係が調べられています。

みんな同じ天気で痛くなるの?

天候と痛みには関連がみられますが、どのような天候に反応するかは人によって違います。

先ほどの研究で集められたデータをさらに詳しく分析すると、天候への反応の仕方や大きさには個人差があることが分かりました。

「雨が降る前につらくなる」

「湿度が高い日に身体が重く感じる」

「台風が近づくと頭痛が出やすい」

など、人によって感じ方が違うのは不思議なことではありません。

そのため、

「低気圧だから今日は必ず痛くなる」

と考えるよりも、

「自分はどんな天候のときに調子が変わりやすいのか」

を知ることが大切です。

天気による痛みは頭痛だけじゃない?

天気による不調というと、「低気圧で頭痛がする」というイメージが強いかもしれません。

研究されているのは頭痛だけではありません。

膝などの変形性関節症や、腰痛を含む慢性的な身体の痛みについても調べられています。

膝などの関節痛と天候

2023年に発表された系統的レビュー・メタ解析では、変形性関節症の痛みと天候の関係を調べた14研究がまとめられました。

その結果、気圧や気温などの気象条件と変形性関節症の痛みとの関連が報告されています。

「雨の日に古傷や関節が痛む」という話を聞くことがありますが、天候と痛みの研究は実際に膝などの関節についても行われています。

腰痛などの慢性的な痛みでも研究されている

腰痛などを含む慢性筋骨格系疼痛についても、多くの研究があります。

2020年に43研究をまとめたレビューでは、複数の研究で天候と痛みとの関連が報告されました。

ここで知っておきたいのは、慢性的な腰痛や関節痛では、**「天候によって、その日に感じる痛みの強さが変わるのか」**という視点で研究されていることです。

では、雨の日に痛みが強くなったとき、身体の中では関節や筋肉まで悪くなっているのでしょうか。

雨の日に痛い=身体が悪くなっている?

雨の日にいつもより腰や膝が痛いと、

「また悪くなったのかな?」

と不安になることもあると思います。

ここで覚えておきたいのは、

痛みが強く感じられることと、関節や筋肉などの組織が悪化することは同じではない

ということです。

2024年には、天候によって膝痛や腰痛などの新しい痛みや一時的な増悪が起こりやすくなるのかを調べた研究をまとめた、系統的レビュー・メタ解析が発表されています。

この研究では、気圧や湿度、気温、降水量によって、膝痛や腰痛などが起こるリスクが高くなるという一貫した関係は確認されませんでした。

つまり、

「今日はいつもより痛い」ことと、「身体がまた傷んだ」ことは分けて考える必要があります。

痛みは、身体の組織の状態だけで決まるものではありません。

身体から入ってくる情報だけでなく、過去の経験や睡眠、疲労、心理的な状態など、さまざまな情報が関わりながら神経系でつくられる感覚です。

天候によって痛みが変わる場合も、

「雨で身体が壊れた」

と考えるのではなく、

「今日は痛みを感じやすい条件が重なっているのかもしれない」

と考えると、必要以上に身体を怖がらずに済みます。

片頭痛は「発作が起こりやすくなる」と考える

ここまで紹介してきた腰痛や関節痛と、片頭痛では少し考え方が違います。

片頭痛では、天候が発作の起こりやすさに関係するのかという研究が行われています。

2025年に発表された31研究の系統的レビュー・メタ解析では、気温や気圧と片頭痛発作との関連が報告されています。

日本人を対象にした研究もあります。

2011年の研究では、片頭痛のある人に1年間頭痛日記をつけてもらい、気圧との関係を調べたところ、天候変化と片頭痛発症との関連がみられる人がいました。

さらに2023年には、日本の頭痛アプリを利用した4,375人のデータが分析されています。

その結果、低い気圧、発症前の大きな気圧低下、高い湿度、多い降雨量などと頭痛記録の増加との関連が確認されました。

片頭痛の場合は、

「雨によって頭が悪くなる」

と考えるより、

「天候の変化が、発作が起こりやすくなる条件の一つになることがある」

と考えると分かりやすいでしょう。

例えば片頭痛には、

  • 天候
  • 睡眠
  • 疲労
  • ストレス
  • 食事のタイミング
  • 月経

など、さまざまな要素が関係します。

こうした条件が重なったときに、普段より片頭痛の発作が起こりやすくなる。

いわば、発作が起こる「ハードル」が下がるようなイメージです。

では、身体はどうやって気圧の変化を感じるの?

ここまでくると、

「そもそも身体は、気圧が変わったことをどうやって感じているの?」

という疑問が出てきます。

その仕組みの一つとして研究されているのが、耳の奥にある内耳・前庭系です。

前庭系は、頭の動きや身体の傾きなどを感知し、身体のバランスを保つために重要な働きをしています。

気圧と前庭系については、動物を使った研究が行われています。

神経を損傷させたラットでは、気圧を下げることで痛みに関連した行動が強くなり、前庭器官を損傷させるとその反応が抑えられました。

マウスを使った研究でも、気圧を下げたときに前庭神経核の神経活動が増えることが報告されています。

さらに2025年には、自然界でも起こり得る範囲の気圧低下に対して、前庭神経節にある感覚神経が反応したことが報告されました。

こうした研究から、身体が気圧の変化を感知する仕組みの候補として、内耳・前庭系が研究されています。

現在は、「人の天気による痛みは内耳が原因」と分かった段階ではなく、身体が気圧変化をどのように感知しているのかを解明する研究が進められている段階です。

天気で痛みが出やすい人は何をしたらいい?

天気を自分で変えることはできません。

だからこそ、

「天気をどうにかする」より、「自分で変えられるところに目を向ける」

という考え方が大切です。

まずは自分のパターンを知る

天候への反応には個人差があります。

そこで、

  • 痛みや頭痛が出た日
  • 痛みの強さ
  • 天候
  • 睡眠
  • 疲労
  • 身体活動
  • 食事

などを簡単に記録してみるのも一つの方法です。

続けていると、

「雨の日全部ではなく、天気が崩れる前に出やすい」

「寝不足と天候の変化が重なった日に頭痛が出やすい」

「雨の日でも体調がいい日はそれほど気にならない」

など、自分なりのパターンが見えてくるかもしれません。

天気が悪い日も、できる範囲で身体を動かす

雨の日は外出する機会が減り、普段より身体を動かす量も少なくなりやすくなります。

慢性腰痛や変形性関節症では、運動や身体活動は重要な管理方法の一つです。

天気が悪い日も体調に合わせて、

  • 室内を歩く
  • 軽い体操をする
  • 普段の運動を室内でできる形に変える
  • 首や肩を無理のない範囲で動かす

など、できることがあります。

「低気圧だから動かない」と最初から決めるのではなく、その日の身体の状態に合わせて活動量を調整することがポイントです。

天気以外の体調も一緒に確認する

「雨の日に痛い」と感じていると、どうしても天気ばかり気になってしまいます。

そんなときは、

「最近よく眠れているかな?」

「疲れがたまっていないかな?」

「普段より身体を動かしていないかな?」

と、天気以外の状態も一緒に振り返ってみてください。

特に片頭痛では、睡眠、疲労、食事のタイミング、ストレスなども発作と関係します。

変えられない天気だけを見るのではなく、自分で調整できる部分も一緒に見る。

これが天候による不調と付き合っていくうえで大切です。

よつ葉接骨院では「天気」だけでなく身体の状態を確認します

天候そのものを変えることはできません。

だからこそ、横浜市鶴見区・生麦のよつ葉接骨院・整体院では、「気圧をどうにかする」のではなく、その方の身体が今どのような状態なのかを確認することを大切にしています。

例えば、

  • 身体の動き
  • 関節の可動域
  • 筋肉の状態
  • 姿勢
  • 普段の身体活動
  • 睡眠
  • 疲労
  • 仕事や日常生活での身体の使い方

などを必要に応じて確認します。

AI姿勢解析も、痛みの原因を決めるものではなく、現在の身体の状態を確認するための情報の一つとして使用しています。

「雨が降ると腰や膝がつらい」

「季節の変わり目になると肩や首が気になる」

そんな方も、天候だけを見るのではなく、身体の動きや活動量、睡眠、疲労なども一緒に確認すると、自分で変えられる部分が見つかることがあります。

当院では、一人の施術者が問診から身体の確認、施術、再評価まで担当します。

天候によって繰り返す身体のつらさが気になる方は、一度現在の身体の状態を確認してみませんか。

まとめ|「雨の日に痛い」を気のせいで終わらせなくていい

「雨の日になると痛い」

「天気が崩れる前に頭痛がする」

そんな感覚を、単なる気のせいとして片づける必要はありません。

研究では、気圧や湿度などの気象条件と痛みとの関連が報告されています。

天候への反応には個人差があり、慢性的な腰痛や関節痛ではその日の痛みの強さが変化することがあります。

片頭痛では、発作が起こりやすくなる条件の一つとして天候が関係することがあります。

そして、天気によって痛みが変わることと、身体がそのたびに悪くなっていることは同じではありません。

天気は変えられません。

だからこそ、

「自分はどんなときに調子を崩しやすいのか」

を知り、身体の状態や睡眠、疲労、活動量など、自分で変えられる部分にも目を向けてみましょう。

天候だけに振り回されず、自分の身体を知る。

よつ葉接骨院・整体院では、そのための身体の確認から一緒に行っています。

参考文献

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執筆者紹介

宮寺 雅佳

執筆者:柔道整復師 宮寺 雅佳(よつ葉接骨院 院長)

臨床現場で19年以上、これまで3万人以上の方の身体のお悩みに向き合ってきました。

よつ葉接骨院では、「痛い場所だけにとらわれず、身体全体を見ること」を大切にしています。
腰痛や肩こりなどの不調は、痛みを感じている場所だけでなく、身体の動きや活動量、日々の過ごし方など、さまざまな要素が関係していることがあります。

そのため、問診や身体の動き、姿勢などを確認し、一人ひとりの状態に合わせて施術やセルフケアをご提案しています。

目指しているのは、痛みだけにとらわれず、その方が元気な毎日を送れるようサポートすること。
この記事も、医学的な情報をもとに、できるだけ分かりやすくお伝えすることを心がけて作成しています。

よつ葉接骨院 / よつ葉整体院(横浜市鶴見区・京急生麦駅徒歩1分)

肩こり・頭痛・腰痛・自律神経の乱れなど、慢性的な不調を中心に、一人ひとりの身体の状態に合わせた施術を行っています。

国家資格を持つ院長が、AI姿勢分析や可動域検査などを用いて原因を確認し、筋肉や関節だけでなく、身体全体のバランスを考慮した施術をご提供しています。

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